日本版8月のクリスマス。
2005年 10月 28日
昨年、吾輩のブログでも取り上げた、山崎まさよし主演でリメイクされた「8月のクリスマス」。9月23日からシネスイッチ銀座を皮切りに順次全国へロードショー公開されている。
【映画のワンシーン】
【こちらはオリジナル】
時間が取れなくてなかなか見に行けなかったが(いまは幕張でも公開)、世田谷美術館の帰りに銀座に寄ってようやく見ることができました。
この作品は吾輩の中では「シュリ」とともに韓国映画を見るキッカケになった記念すべき作品で、映画館で1回、DVDやビデオで何度も繰り返し見ている。話自体は恐ろしいほど淡々と進む話なので、アクション好きには耐えられないだろうなw。あえてこの映画をリメイクすることに意欲的なモノを感じたんだけど…。
韓国の設定ではソウルの片隅で、老いた父と二人で暮らす写真館の主人(不治の病に冒され、やがて死んでいくことを自覚している)とソウル市の交通女性取締官(警官ではない。駐車禁止を取り扱う市の職員らしい)だったが、日本版では北陸(舞台設定は富山県高岡市)で父と暮らす写真館の主人と近くの小学校女性臨時教師。
と少し設定を変えてあるものの…。
映画を見ながらビックリしたのは原作の映画のひとコマ、ひとコマを忠実に再現しようとしているところ。 帰省した妹とスイカの種を飛ばすシーン、スクーターの相乗り、泥酔して警察署で暴れるシーンとか。なにもそこまで執拗にリメイクせんでもいいのにってぐらいw
(そのほかにもスクーターで坂道を走るとか、原作の風景を彷彿させるシーンがたくさん散りばめられている)ま、そのお陰で原作の雰囲気を損なわずに済んでいるんだけど、ではなぜ、8年後、日本で作らなきゃいかんの?疑問もあるよね。
もちろん、韓国版にはないシーンもある。冒頭に出てくる「自分の好きな場所」(ここだけ金沢)から見る雪化粧の町並みとか、ヒロインが本採用になった小学校を訪ねていくシーン。ただ、この2つは日本の北陸が舞台ですよ、ということを強調しているだけにしか見えない。
ラストシーン、韓国版は結局、主人からヒロインへは「自分の死」を隠したまま死んでいくんだけど、日本版の方は出さないはずの遺書が、死んだ後に妹が遺品を整理していたら出てきて、ヒロインにその手紙が行ってがく然とする。
韓国版の方はなんかあっさりしたラストだったけど、日本版はちょっと湿っぽくなっちゃったな、って思った。
この作品を見て思ったことはリメイクって本当に難しいなって思った。原作に忠実過ぎて「オリジナリティがない」とか突っ込まれるだろうし、あまりかけ離れ過ぎると原作のファンは激怒だろうしな。吾輩は原作が持っている「静」の部分と「死へ至る運命のやるせない憤り」を表現できたならリメイクは成功だと思う。なので、この作品は忠実に作り過ぎちゃった感じがある。
【映画のワンシーン】
【こちらはオリジナル】
時間が取れなくてなかなか見に行けなかったが(いまは幕張でも公開)、世田谷美術館の帰りに銀座に寄ってようやく見ることができました。
この作品は吾輩の中では「シュリ」とともに韓国映画を見るキッカケになった記念すべき作品で、映画館で1回、DVDやビデオで何度も繰り返し見ている。話自体は恐ろしいほど淡々と進む話なので、アクション好きには耐えられないだろうなw。あえてこの映画をリメイクすることに意欲的なモノを感じたんだけど…。
韓国の設定ではソウルの片隅で、老いた父と二人で暮らす写真館の主人(不治の病に冒され、やがて死んでいくことを自覚している)とソウル市の交通女性取締官(警官ではない。駐車禁止を取り扱う市の職員らしい)だったが、日本版では北陸(舞台設定は富山県高岡市)で父と暮らす写真館の主人と近くの小学校女性臨時教師。
と少し設定を変えてあるものの…。
映画を見ながらビックリしたのは原作の映画のひとコマ、ひとコマを忠実に再現しようとしているところ。 帰省した妹とスイカの種を飛ばすシーン、スクーターの相乗り、泥酔して警察署で暴れるシーンとか。なにもそこまで執拗にリメイクせんでもいいのにってぐらいw
(そのほかにもスクーターで坂道を走るとか、原作の風景を彷彿させるシーンがたくさん散りばめられている)ま、そのお陰で原作の雰囲気を損なわずに済んでいるんだけど、ではなぜ、8年後、日本で作らなきゃいかんの?疑問もあるよね。
もちろん、韓国版にはないシーンもある。冒頭に出てくる「自分の好きな場所」(ここだけ金沢)から見る雪化粧の町並みとか、ヒロインが本採用になった小学校を訪ねていくシーン。ただ、この2つは日本の北陸が舞台ですよ、ということを強調しているだけにしか見えない。
ラストシーン、韓国版は結局、主人からヒロインへは「自分の死」を隠したまま死んでいくんだけど、日本版の方は出さないはずの遺書が、死んだ後に妹が遺品を整理していたら出てきて、ヒロインにその手紙が行ってがく然とする。
韓国版の方はなんかあっさりしたラストだったけど、日本版はちょっと湿っぽくなっちゃったな、って思った。
この作品を見て思ったことはリメイクって本当に難しいなって思った。原作に忠実過ぎて「オリジナリティがない」とか突っ込まれるだろうし、あまりかけ離れ過ぎると原作のファンは激怒だろうしな。吾輩は原作が持っている「静」の部分と「死へ至る運命のやるせない憤り」を表現できたならリメイクは成功だと思う。なので、この作品は忠実に作り過ぎちゃった感じがある。
by ta_ch1967
| 2005-10-28 16:06
| 映画とビデオ